松波米飴の製法
大麦を発芽させ、木槌で叩いて芽を取ります。
それを石臼で挽いた粉を私たちは「おやし」と呼んでいます。
蒸したうるち米におやしを入れ、一晩寝かせて発酵させます。
翌朝、麻袋に入れて絞った汁を、
大きな釜に入れてじっくりを煮詰めること5時間。
片手にはしゃもじを持ち、何度も掬っては粘り具合を確かめます。
もう一方の手には柄杓。

温度や湿度によって微妙に変化する米飴の固さ加減と出来栄えを、
長年の経験と勘で調整するのです。
一つ一つの工程を大切に重ねることで、
奥深い味わいの米飴が作られていきます。
今日も飴色に輝く私たちの米飴が出来上がりました。
 
地元の人たちの思い出の味
松波米飴の歴史は、戦国時代の約500年前まで遡ることができます。
この土地に根付いてきた製法と味。
戦前までは、各家庭でも作られていました。
松波のお年寄りにとっては、子供の頃大好きだった懐かしい味。

「田んぼに落ちた穂を集めておいで。たくさんひろうたら、それで飴つくったるぞ」

そう言われて喜んで田んぼ仕事を手伝ったのです。
口の中に入れると、あの日の思い出が、米飴の優しい味わいと共に広がります。
 
奥能登の文化・歴史に興味のある方は↓をクリック!

奥能登に豊富に存在する(今、失われつつあるが)歴史文化を活用した複数のミニ博物館を発信されています。